「言わないで下さい!」





タケルの言葉をかきけそうとミクが叫ぶ。





「………どういうことだよ。タケル」





「事故った後遺症で右手が動かなくなったんだよ。ソイツは知ってるみたいだけどな」





短い沈黙の中でミクの泣き声が聞こえる。





「ミク………オマエ知ってたのか?」





止まらない嗚咽の中で、ミクがエルに何かを伝えようと言葉を発していた。





「ごめん……なさい………私、ずっと知ってました………」





その言葉を聞いたエルの時間が止まったようだった。