それを買うことすら怖かった妊娠検査薬は、陽性だった。





スタジオを出て、私とカエデさんはドラッグストアでそれを買い、駅のトイレで調べた。





疑いに近い確信が、確実に私の体に起きている事実に変わる。





「―――そっかァ。病院にも行ったほうがいいよ。ミクの体が心配だから」





「………はい」





暗くなった帰り道、力なく歩く私をカエデさんはずっと隣で支えてくれた。





「ウチの友達にもさ、妊娠したかもって言ってたヤツがいたんだよ。病院で検査したら子宮外妊娠だって診断されて大変だったみたいだから」





私はどうなるんだろう。





オーナーの奥さんのようになれるとも思えない。