「「あ」」
重なった言葉に、高橋の表情がすぐに険しくなる。
「昼休みまたズレたんだ」
「今日はまだ早く貰えた方ですよ」
見上げるあたしを逆に見下ろされる。早く貰えた方だって言っても……普通は時間通りに貰うものなんじゃないの?
不規則だらけだから仕方ないだろうけどさ。
「はぁ……まったり和んで。楽しそうですね」
ポツリ、吐き出された言葉にすぐに反応したのは聖くん。
すぐに手が離れていき、あたしの頭は軽くなった。
焦った表情で、まるで高橋が銃でも持っているかのように、打たないでのポーズで顔の横に掌を持ってくる。
「これは、心ちゃんを慰める為に……」
「慰める?」
眼鏡越しの、少しの疑問を孕んだ視線があたしの方へ。
聖くんっ…!余計なことを!
その言葉を聞いて、過保護な高橋が聞いてこないはずがない。
「何か慰めて貰わなきゃいけないようなことでもあったの?」



