あ。そうだ。思い出した。
「そう言えば、あたし聖くんに聞きたいことあったんだった」
話題を変えようと、聖くんの方に向き直れば、聖くんも同じようにジュースを飲みながら興味を持った目で見てくる。
「なになにー?」
「あのさ、聖くんと高橋って大学一緒だったんだよね?」
「そうだよー。俺がリハビリテーション学部で、秋が医学部」
学部はもちろん違うけれど、聖くんなら結構知ってるんじゃない?
「大学生の時の高橋ってどんなのだったのかなー……って思ってさ。暇潰しに」
あたしのイメージではあの真面目さで勉強ばっかじゃなかったのかと思うけど。
「大学ん時の秋?」
キョトンとして聞かれ、普通に頷く。
すると、なぜか笑顔になった聖くん。
何がそんなに面白いのか、一人で笑ってるからあたしは置いていかれた気分。
「ちょっと」
話してよ。の意味も込めて聖くんの腕を軽く叩いてみれば、笑顔で。
「秋はねー…俺の見てる限りいつも勉強してた」
「やっぱり」
あたしの予想は、やっぱり合ってたんだ……。
「医者になりたいならその位勉強しなきゃなんない事は分かってたけど。いつも本読んで勉強してて、真面目だったなぁ……」
「そうなんだ」
「がっかりした?もっと楽しんでると思ってた?」
聖くんは苦笑しながらあたしを見る。
「そういう訳じゃないけど……」



