「本当!?」

「したら、ね」


あと一週間は我慢か。


いつも食べていた訳ではないけれど、こう、急に食べたくなった時にあと一週間も我慢しなきゃいけないとなるとちょっと辛い。


多分あたしのことだから、いざ食べに行くってなった時に「もう良い」なんて言っちゃいそう。


「良いじゃないですか。一生食べるなって言ってるわけでは無いんですから。」


「そうだけど。分かる?食べたい時に食べれない気持ち!」

机をバンバン叩いてみる。

そこまで執着してはいないけれど、聞き分けは良くないもん。

「分かった。分かるよ?」

「嘘だ」

「………」


「ま、いーけど」

高橋が困り果てたのを見て、もう切り上げた。


「……今から食べに行こうとなんて考えてないよね?部屋、ちゃんと戻ってくださいね?」

「高橋が送ってくれるんでしょ?」

高橋が何を言いたいのか分からないけれど。抜け出すことを一応は警戒しているらしい。

箸を進めながらも、疑うような目つきで言ってくるのを真顔で返します。

「別に良いですけど……どのみち同じ階だし」


ほんと、なんと言うか……真面目だよね、高橋。むかつくくらいに。

再び今度はみそ汁を黙々と飲みはじめた高橋を観察するように眺めていれば……


「食べさせてあげれば良いじゃんね?これから検査頑張るんだしさー?」


高橋の背後からぬっと現れた、人物に。



私は固まった。