先生との恋☆Second・Story☆完結☆


「誰かお探しですか」

白衣を引っ張りながら高橋に話し掛けると、高橋がすぐにこちらへと振り返った。

「あ、はい…」


眼鏡の奥の瞳が、あたしを捕える。

驚いたように目を見開いてそして、すぐに安堵したような表情。もう発作を起こすこともないのに、何を心配することがあったんだか。


「いた!」

「いたけど?」

「早速部屋抜け出して……もう。で、何してるんですか」

その問い掛けに、視線を逸らす。


でたよ、すぐ聞く。


ここで、何してたかなんて聞かなくてもわかるくせに。

「……こっち」

立ち話も何だし、まだ食べ終わったトレーも返しておらず置きっぱなし。



高橋を誘導するように踵を返して歩きだすと、後ろにピッタリついてくる気配。


「相変わらず我が儘ですね」

「……何が」


席にたどり着いて私の向かい側に座った高橋が食べ終わったトレーを見る。


「どうしてここで食べてるんですか」



「……食べたかったから?」


「僕に聞かれても」