「どうする?」


「ちょどいいね!これにしよう」


にっこり笑った心。

「じゃあ。これでお願いします」


決まった指輪を店員さんに渡して、お願いする。


「ありがとうございました」

お店の入り口までお見送りをされて、気恥ずかしく感じながらお店を後にする。


ふっと緊張が解けて力が抜ける。

それは心も同じだったらしく。

「疲れたね」

「ね」


そう言って指輪の入ったショップ袋を揺らしながら歩く。


「お昼何か食べる?」


お腹すいたなぁと時計を見ればちょうど昼時で。心を見ればうんと頷く。


「どこがいい?」

「んー何が食べたい?」

「何でもいいなぁ。あ、心オムライス食べたいってこの前言って無かったっけ…?」


エレベーター前のフロアガイドを見ながら聞けば、


同じように見ている心が言う。

「あ、それならこの前聖くんと来た時に食べ、………」


そこで不自然に止まった言葉。

心を見れば、しまったって顔をしていて。

「……どういうこと?」


聖と来た時?


「……心?」

心は目線を逸らす。怪しい。


その後どうにか誤魔化そうとしてたけど、しつこく聞き続ければ観念したのか下見の話を聞いた。


「……呼び出しだな」