高橋の顔に手を置けば、角度を変えて口づけられる。

「…っふ、」


高橋の熱い吐息が擽って、

僅かに口を開けばそこから今度は熱い舌が入ってくる。

その熱さにびっくりして。


ぎゅっと触れている手に力を入れれば、高橋の手にも力が入る。


アイスもすぐに溶けるはずだ……。アイスで冷やされたと思っていたのに。


食べていないあたしの口腔内の方が全然温度が低くて。


冷やすように絡められて、遊ばれる。

ちゅっと吸うように離れて行ったかと思えば、


また口づけられるそれにあたしまで熱に浮かされてるような気分になる。

何度目かの離れていった唇と

お互いの熱い吐息が重なって目を開けば。


ぺろっと自分の唇を舐めた高橋と目が合って。


「……チョコレートの味がする」


そう言えば、声を出さずに笑われた。


……こんなに好きになるなんてなぁ。


好きだなぁって思う。


本当に、幸せで。


「……あたしも」



「ん?」