あたしはにやりと笑い、冷蔵庫へと向かった。


「――高橋、」


「心?もう食べたの?」

ごそごそと布団がこすれる音がして、高橋の声がする。


んなわけないじゃん。と思いながらも高橋の元へ行く。


「座って」


「え?」


ぼんやりとあたしを見上げる高橋。

そういえば目が悪いんだと思って、高橋の顔にソレを当てる。


「っ、」

びくっと顔を動かした高橋。

だけど、気持ちいいのかそのまま大人しくされるがままになった。

「……気持ちいい」

「熱、上がってんじゃない?」

聖くんもこれからまだ上がると思うからって言ってたし。

アイスを持っている手と反対の手で、おでこを触れば、確かに。


さっきよりも熱くなっているような気がするようなしないような……。


大丈夫なのかな、と不安になれば「ん、」小さい声を漏らして高橋が起き上がる。



ヘッドの部分に背中を預けて、あたしを見る高橋。


「何のアイス?」


「えーっと……チョコ!」


カップアイスを高橋に見せるけど、


細めるだけで本当に読めているかは分からない。



「……心は?」


「あたしは後で食べるからいいよ。どうせ高橋全部食べれないでしょ」