「ツンツンしてそうな雰囲気の人だった」

「心がそれ言う?」

そう言って笑った高橋をむっとして叩く。

「ぱっと見ね。芯がしっかりしてそうなイメージで、聖くんのことあしらっちゃいそうな感じ」


どちらかと言えば聖くんが犬みたいに懐いてそうな、そんな雰囲気の人。


「だけどね、聖くんのこと見た瞬間、泣きそうな顔してて、イメージと違って…」


何て言葉が似合うのかな。

儚いとか、そんな言葉が合うのかな。


「とにかく、守ってあげたーいって思うような人だった」

そういえば、高橋はへぇ…と声を漏らす。


「誰なんだろう…」


「……謎だね」


「そうだね」


聖くんは、謎だ。肝心なことはあまり分からない。

「……僕は、いつかその人に聖が刺されないか心配だよ」

そう言ってふらふらと立ち上がった高橋。

腕を支えるようにして、あたしも立ち上がる。


「確かに」


あんまり遊んでると刺されるかもしれない。



『03:謎です』


とりあえずそのうち事情聴取ね。
そうだね。
あの人、大丈夫かなぁ。