パンフレットなどが入った、ちょっと重たい段ボールを運んでても

有岡くんは私が「手伝って」と言わない限り見守ってくれる。


重たすぎて持てない、と判断した時はちゃんと手伝ってくれるけれど。


なんていうか……“病気だったから”とか“心臓が弱いから”って目で見てくれていない所がすごく嬉しい。


病気に左右されない、ずっと望んでいた生活。


あの時閉じ込められた病室の中で

ずっと思い描いていた未来が実現できている。


そして、新しい、頼もしい存在に感謝しながら


あたしは高橋の家に向けてバスに乗り込んだ。