待っててくれたのか、有岡くんがいた。


さっきの制服と一変し、白いシャツに大きめのショルダーバックを肩から斜めがけ。

うん、と頷けばそっか、と笑って歩きだす。


……シフトが同じになった日、夜の時にはこうして途中まで一緒に帰ってくれる。

方向も一緒だし、夜道が怖くないと言えば嘘になるので

好意に甘えて帰ってるけど。

「話、なんだった?」


「あー……シフトの事について」


「何か問題あった?俺、変わっても良いよ」


夏休みはほとんどフルで入るつもりだし、と有岡くん。

有岡くんは大学進学してるらしく、授業はもう無くてもう少ししたら始まるテストを受け終えれば夏休みに入って結構暇らしい。


おまけに夏休みを過ぎて9月いっぱいまで休みだと。

「ううん、明後日からしばらく入院してバイト行けなくなるから」

「入院?」


何気なく言ったけれど、僅かに開かれた目に誤解を生まないように慌てて次の言葉を紡ぐ。


「入院って言っても検査入院だから」


術後の定期検診を細かくするらしくて。

通いながらも検査は受けれるらしいけれど、それもなんだか面倒くさいから入院する事にした。


高橋もその方が良いって言ってたし。