念の為に
半月前のシフト希望表提出の時に話はしていたんだけど……。
「あ、ううん、それは大丈夫。だから気にしないでのんびり受けてきてね」
パタン、と音を立てて閉じられてしまったそれ。
「ごめんね。本当は6月だったんでしょ、検診」
申し訳なさそうに眉を下げる店長にいやいや、と手を振る。
本当は6月の終わりに検診に行かなきゃいけなかったんだけど、
ちょうど高校生のバイトの子たちが期末試験があるとかで休みを取っていて。
そこにさすがに重ねるわけにもいかなくて、少しだけ遅くなってこの時期に休みを入れさせてもらった。
「明日から休みだし、ちょっと心配だったから声かけようと呼んだだけだから」
気にしないで、と言い店長はにっこり笑う。
「……ありがとうございます。多分大丈夫だと思いますので」
「何もないといいね」
「はい」
「うん、じゃ、お疲れ」
「お先に失礼します」
店長の気遣いに嬉しくなりながら、ペコっと頭を下げてスタッフルームを出る。
「あ」
「……終わった?」



