先生との恋☆Second・Story☆完結☆


――――――――――――……


「入院お疲れ様でした」


「…お世話になりました」


ペコッと頭を下げれば、ニッコリ笑ってくれる看護師さん。

ナースステーションの中にいる看護師さん達も気付いて、「お疲れ様」って言ってくれる。


「……清水先生は…忙しそうですね」


退院するから、一応挨拶しようと思ったのに。


今日は朝から見かけてない。

「今日は病院に来てないの」

「そう、ですか」

申し訳なさそうに言われて、そっか。と納得。


良いや。


どうせまた検査の結果を詳しく聞く時にここに来るし。

その時にでもお話すれば。

「あ…じゃあ、一応お世話になりましたって伝えて貰っても良いですか?」

そう頼めば、伝えとくね、と言われた。


よし。帰るか。


もう一度、頭を下げて、踵を返しエレベーターの方へ向かおうとすると、


「―――岡本さん」

高橋が、ぎこちなく笑いながら立っていた。


昨日以来、だから。

少し気まずくなるのも、当然、か。


結局、これからどうなるのかさえちゃんと話合えてない。

できれば会わずに退院できたらって思ってたんだけど。

あれだけ泣いてしまったからもう遅いんだけど、泣きはらした目も見せたくなくて。


「……お世話になりました」

看護師さんに挨拶した通り、ううん、声はそれよりもずっと低く素っ気なくて。


高橋の顔も見ずに名札の辺りに視線をやって頭を下げる。