抑え気味に叫ばれた私を呼ぶ声と一緒に、手首をグッと掴まれた。
ガタっと慌てて立ち上がった高橋の椅子が倒れる。
離せ、と暴れて振りほどこうとしても、
力は強くなって痛くなるばっかり。
掴まれた手を必死に振りほどこうとして、反対の手で傷つけようとすれば、そっちも掴まれる。
目からは力を入れて閉じた弾みで涙が胸元に落ちて伝うのが分かる。
「離してっ」
「離したら何するの」
「……っ、高橋には関係ない!」
「落ち着いて」
「~~~~んっ!はーなーしてっ……!!」
落ち着けるわけがない。
どうにかして振りほどこうとしても、振りほどけなくて。
爪を立てていた手の平でグッと拳を握る。
口からは嗚咽なのか力を入れる為の声なのか、出てくる。
「心っ、」
しばらく抵抗を続けて、でも離してくれそうになくて。
力を込めていた手を緩めた。
そのまま掴まれてるまま、力なくベットの上に落ちる。
もう、何も考えたくない。
どうしてこうなっちゃったの……?
「……傷は関係ない……傷は、関係ないよ」



