だけど。
他の人に受け入れて貰えないかもしれないから受け入れてくれる高橋、なんてそんな簡単な理由で高橋と付き合ってるんじゃないのに。
高橋を好きになったんじゃないのに。
この気持ちは、しっかりしているのに。
全部、全部、この病気の。
コレのせいでおかしくなっていく。
あたしの気持ちさえも、コレのせいで分かってもらえてない。
力が抜けていく。
心の中の気持ち悪さがグツグツと上がってくる。
「……結局、何したってどれだけ時間が経ったって、一生あたしに付きまとってくるんだよね…」
一生無くなることなんてない。
コレのせいで。すれ違って高橋までが離れてく。
そう思えば、自分の体に付いているこの傷が、憎たらしくなる。
気持ち悪い―――。
「っ――、結局、こんな傷さえ出来なければ―――」
高橋にこんなことを言われるくらいなら、あの時死んじゃってた方が良かったのかもしれない。
着ていたTシャツの襟元を思いっきり下に引っ張ると、見えてくる傷痕。
これさえ出来なければ。
消したい衝動に駆られて、消えるわけ無いって分かってるのに。
頭では分かっているのに、手は傷痕に伸びていて。
「心!」



