「……ちゃんと用意終わったんだ」
「当たり前でしょ?まだやってないと思ってたの?」
「うん。……まぁ」
入った瞬間部屋を見渡して、綺麗な片付けられてあることに気付きそんな事を言った高橋。
あたしはベッドに寝てて、そこから睨み付ける。
「資料見てるの?」
「ヒマだから」
有岡君から貰った大学の資料。
全部が未知の世界って言うか……名前では学部の名前知ってたけど、具体的にどういう事を学ぶのか、
どんな職業につくのかとか、なんとなーくしか分からなかったことが細かい部分まで分かる。
「へー…寮もあるんだ」
「すごいよね。良く考えたら大学って全国規模なんだよね」
遠く、えっそんな所から来たの!?ってくらい遠い県からも来るから。
競争率もかなり高いみたい。
受験者数と合格者数のグラフを見て、間違いじゃないかって思ったもん。
すごく大変な倍率の中を努力して勝ち上がってきたから……。
「みんな、楽しそうにキャンパスライフ送ってるんだよね」
笑顔、笑顔。笑顔ばっかり。
「…大学は楽しかったですよ」
ぽつりと言った高橋に顔を上げる。



