落ち着いたかな。
「高橋先生、いっぱい心ちゃんのことを考えてるのね」
え、
「あたしのことを?」
「落ち込んでいるみたい、だとか、どうしたら前向きに生きてもらえるのか……ってね」
あたしのことを考えて…。
確かに。気にかけてくれていることは知ってる。言葉だったり、態度だったりで。あたしの様子とかかなり気にしてくれるもんね。
うるさいって思うくらいに。
でも、それは……
「高橋、が、あたしを気にしてくれるのは、無理矢理あたしを手術してしまったって思ってるからなんです」
笑顔の赤ちゃんとは反対に沈んでいくあたしの声。
溜まっていた、誰かに聞いて欲しかった気持ちが溢れてくる。
須藤先生に言われて、聖君ぐらいにしか文句言えなくて。
また言われて。……モヤモヤしていた気持ち。
「手術したくないって、覚悟が決まるまで待ってって言ってたのに……発作起こして高橋が仕方なく手術して……高橋はそのことを気にしてて、だからいろいろと気に掛けてくれてるんだと思います」
須藤先生に言われたこと。
それは、違うと思う自分と、そうかもしれないと思う自分がいる。
だからあたしと付き合ってくれてるのかもしれない。



