先生との恋☆Second・Story☆完結☆



赤ちゃんなんて抱いたことあったっけ?


泣かれないだろうか。


おずおずと両腕を差し出すと、その上に乗る赤ちゃん。

すぐに自分の胸で支えるようにして、抱き締める。

軽くて、でも温かいぬくもりは冷房が利いている室内に程よくて。

「……すごく大人しいですね」


「でしょう?人見知りしなくて誰にでも抱かれてくれるから助かるの」


目を開いて、一生懸命あたしの顔を見てくれてる。


赤ちゃんは見るもの全てが新しくて、新鮮なんだろうね。

この人誰なんだろう?って思ってるのかな。


顔を近付けて見れば、母乳の匂いって言うのかな。


赤ちゃん独特の匂いのようなものが鼻孔を擽った。


小さいぷにぷにの手が懸命にあたしに向かって伸びてくる。

「あっ」

ペタペタと、頬を触られて、くすぐったい。


そのくすぐったさに思わず笑いが零れながら、その小さい手が唇に。


「……ぁ」


パクパクと唇を動かしてあげると小さく声を出した赤ちゃん。


「笑った……」


「ご機嫌みたい」



少し顔を上げて横田さんを見れば、横田さんも赤ちゃんを穏やかに笑いながら見ていた。