[やっぱ本人と直接話してみないと本当の事は分かんないねー]
[誤解?みたいなの……解けたなら良かった]
感じの悪い人って思われながら一緒に仕事するの気まずいし。
[あー……っとさ]
だんだんと引いていく笑い声と、まだ何か言いたいことがあるのか含みを持った話し掛け方に、私も有岡くんの方に顔を向ける。
目が合えば、一瞬口を閉ざして言おうか言わまいか迷ってるような。
まだ誤解でもあった? 当時の噂とか?
何?と。
飲み込んでしまうかもしれない言葉を促すように首を傾げる。
と、
[体、大丈夫?]
今度は、ひどく真面目な顔で。
眉を下げて伺うように聞いてきた有岡くんに、ふっと苦笑が漏れた。
やっぱり、知ってたよね。知らないわけ無いよね。その話題には触れられずに終われるかと思ってたんだけどな。
すっと息を吸い込めば、ちゃんと動いてくれているのを感じて微笑む。
[大丈夫。ちゃんと手術したから完治に向かってます]
[手術したの?]
[うん。去年ね]
[……そっか]
だからこうして今バイトもできるんだし。
今までだったら聞かれたら嫌そうな顔が思いっきり出てたと思うけれど、前向きに考えようと思ったから。
平気で自分の体の事を言えるようになった。
[……今聞いた岡本さんの性格って言うか、結構サバサバしてるからさ。こんな事言うのもどうかと思うけど……]
[何?]



