また変な提案でも…?
制服なんて絶対有り得ないから。
「俺が案内……しようか?」
「えっ、」
有岡くんが?
「ただ見学だけだし、授業は見れないかもしれないけど。あ、それに俺の学部以外は詳しくないし……自分の学部もいまいち分かって無いこと多いもんなぁ……」
「勝手に入っていいの?」
見つかったら大変なんじゃ…。
「分かんないって。人数多いし」
同じ大学の生徒だと普通思われるだろうし、と付け加えられた。
「それ、いいかも」
「あ、マジ?」
「それなら行きたいかも」
今まで無縁、って感じだったけど、一回くらい大学生気分を満喫したい。
どういう所なのか見ておきたいしね。
「本当にいいの?」
「全然良いよ!」
嬉しい。
「とりあえず、これ見て予習しとくね」
貰った沢山のパンフレットに触れれば、有岡くんも嬉しそうに顔を緩ませた。
―――――……コンコン、
会話が途切れた丁度良いタイミングで鳴り響いたノック音。
時計を見れば、そろそろ高橋が来ても良い時間帯。
高橋か。



