「雑誌買いに行こうかと!」


力では高橋には叶わない。


引きはがされたその子は納得いかなそうに頬を膨らませた後、高橋を見上げた。


……だよね。やっぱりあたしの予想は当たってたか。


「でも、高橋先生見つけたからやーめたっ」


そう言ってほんわか笑う女の子。

ハートが見える…。


聞かなくてもわかる。誰にでもこういうことをしているわけではないだろう。

”高橋だから”だろう。

可愛らしい笑顔を向ける女の子。

しかもかなり可愛い。

「抜け出さないでください」

「ずっと監視しててくれる?」

「…無理ですよ」


完全に空気だあたし。


無事に見つかってよかったよかった。

高橋がわざわざ外にまで探しに行くことにならなくて良かった。


あたしがいなくてもいいだろう。

思わず去ってしまいたくなって背を向けたあたし。


「あ…岡本さん、」

そんなあたしに鋭く気付いた高橋に、肩を掴まれる。