「雑誌?」


「今日何個か雑誌が発売される日だから。違うかもしれないけれど」

病院から抜け出していく場所なんて限られてる。


友達だって家族だって入院していることを知ってる人なら会ってくれてもすぐに戻れって言われるし。

「売店におく雑誌の種類を増やしておくべきなんだよ」


「…僕に言われても」

そういって困った顔をする高橋。

あたしも立ち上がる。

「探しに行かなきゃでしょ?あたしも院内一緒に探してあげる」


「え…でも…」

「何」


「疲れてるみたいだし、早く部屋に戻って寝た方が」


「大丈夫。散歩がてら探したら戻るから。特徴教えて」

「でも……あ!!!!」

「っ、」

隣で大きな声を出されたあたしは高橋を睨む。

何!!



だけど、あたしの顔なんて高橋は見ていなくて。


「いたっ……、神田さーーーーん!!!!」