服を正しながら高橋を見ずに言えば、感じた視線から高橋が不満そうなのが分かる。


「一応入院してるんですからね」


「はいはい」

「分かってます?」

「分かってるってば」

見上げた高橋はやっぱり不満そうな顔で。

「……反抗期ですか?」

「は?」

「何か今日……僕に対して反抗的じゃない?」


そんな事は……ない。いつまでも病人扱いされて過保護なのが嫌なだけなのに。


「そんな事ないけど?いつも通り」


「そう?」


「しつこいよ」

何か言いたそうだけど、あたしは言わせないように高橋を見る。

「んー……それなら良いけど、あ、そうだ。今日のエコー検査。須藤先生が診てくれるから検査室に行ってね」

「えっ!?」


話を変えて、今日の検査について話しだした高橋の口から気になっている人物の名前が出てきて、思わず大きな声を出してしまった。


いきなりのあたしの声に、高橋も驚いて話が一瞬止まる。