すかさず聞いたあたしに、高橋は何の戸惑いも無く頷く。

そして――


「大学が一緒だったんだ」


あぁ。

なるほどね。

大学が一緒……。

さっきあの先生が秋くんって呼んだのも分かった気がする。



きっと高橋が医者になる前から、学生の時にそうやって呼んでたんだろう。

「そうなんだ」

「大学で一緒に勉強していた仲間が、先生になって一緒に働けるのは嬉しいよね」

「………」

高橋は嬉しそうに笑いながらそう言うけれど、その嬉しさは、あたしには分からない。大学に行ってないし。

かといって就職して働いているわけでも無いから。

でも、本当に嬉しいんだろうなってことは分かる。

「きっと検査の時に会うと思うよ」

「……うん」


会いたくないな、と直感的に思った。



良く分からないけれどあたしの勘が、出来れば関わらない方が良いって言ってるような気がして。


会話が終わって、少し寝るつもりなのか目を閉じて穏やかな呼吸を始めた高橋をただ時間がくるまで、そのまま見つめていた―――