先生との恋☆Second・Story☆完結☆



さすがに笑顔が消えてしゅん、としてしまったアキラくん。

それを見た高橋が、また何か口を開く前に言う。

「戻るよ?」


「うん。……先生」

降ろして。と身じろぎしたアキラくんを、高橋がゆっくり床に降ろせばありがと、と高橋を見て言った後あたしの方へ。

え?と思いつつも、引かれた服の感触にしゃがみ込めば。

「おねーちゃん、また会える?」


首を傾げて、聞かれた。

可愛い。ほんっとうに可愛い。


あたしもぎゅってしたいと思うくらいに。


「うん。高橋“先生”にアキラくんの部屋聞いて、今度遊びに行くね」

だから薬頑張って。

あたしの言葉に嬉しそうに頷いて、「ばいばい」と背を向けて歩きだした。


と、

「ごめんね秋くん」

目線を下げ、アキラくんを見ていた女医さんが高橋にささやくように、一言。

[ごめんね]

アキラくんを、って意味は良く分かる。

分かるけど……その後の“秋くん”って何?

目の前でさりげなく行われた仕事仲間同士の会話に固まる。ただの先生同士の何気ない話のはずなのに、何かがあたしの中で引っ掛かった。

秋くん……?


高橋先生って呼ばれてることが多いけれど、高橋って同い年くらいの先生にはそうやって呼ばれてんの?