先生との恋☆Second・Story☆完結☆




思わず顔を歪めれば、

すぐ後ろから「ごめん」と高橋の声が降ってきた。


引かれて傾いていた体勢を整えて、すぐに足元を見る。


あたしの出した声に驚いたのか、目を見開いたその子はピタ、と立ち止まってあたし達を見上げていて。

ぶつからなくて良かった……

安堵しながらも、固まったままの男の子。


いくつくらいだろ?

「大丈夫?」


声をかければ、大きな瞳はあたしを映したまま、コクンと頷く。

そしてそのまま視線はあたしから移動して……


「あ!高橋っ!」


びっくりしていた表情が、突然満面の笑みに変わり、高橋を指差した。

…………うん。


高橋だよ。高橋。間違ってない。だけど……


「高橋“先生”だってば」

少し拗ねたような声がして、あたしの隣にいた高橋が動く。


膝をついて男の子と目線を合わせれば、男の子は嬉しそうに高橋に抱きついた。


キュ、と小さい腕を必死に高橋の首へ回す姿は、それはもう可愛い。


「高橋どこいってたの~??」


「…だから先生だってば」



こら、と高橋がぽんぽんどの頭を軽く叩くと、大きな瞳があたしを捕える。