籠の鳥

「おいっ!っばか、お前…!」

ざくやは黒い血にまみれるさやを抱いた。

さやを斬った彼も村人に手を引っ張られる。



ぐったりとするさやを村人は見て安堵のため息をついた。

「ショック死したか………ざくやさん、そいつを渡して下さい。俺達が捨ててきます」

「いい……危険だ。俺が行く。」

言葉とは裏腹にざくやは村人を睨みながら言った。

その気迫にその村人も後ずさりする。



ざくやはさやを抱きかかえた。

「……………!?」

立ち上がろうとした時、ざくやはさやを見た。



意識はないが、傷口からの出血がとまりかけている。

ざくやの反応に気付いて村人達もさやを覗いては口を開けた。



次第に傷口は閉じ、さやは大きく息を吸う。

「妖怪が生き返ったぞ!!?」

「やっぱり駄目なのか…!?」

村人がざくやから身を引いた。