アンリからだった。


「もしもし・・・・」




「ごめんね…ピンキーがいるのに
電話なんかして……
あのね…あのね…
和人に一番先に伝えたくて……
歌がうたえたの……
和人のこと考えたら
声が出たの……
私は…壁を乗り越えたよ……
だから待ってる……
和人を待ってる……
私の歌は和人のために歌うから……」



アンリの声は
弾んでいた・・・・・


「よかったな!!!
頑張れよ!!!」



「また電話するね。」


アンリが歌えるようになった。


壁を乗り越えた・・・・・


俺は何してるんだろう

どうしたらいいんだろう


アンリを愛してる・・・・


ピンキーが愛おしくて
たまらない・・・・・・



だけど………


俺はどうしたらいい?


ピンキーを振り返った。