アセトアルデヒドの悪戯(イタズラ)

息継ぎが、だんだん怪しくなってくる。

手が、足が重くて動かないからだ。

でも、

負けるもんか。

おぼれそうになりながらも、50メートル、泳ぎきってやった。

スタート地点に戻ると、ゼイゼイ言うのを押し殺して、壁をよじ登った。

唖然と見守る、6年連中。

あたしは、その視線をしっかりと背中に感じながら、無言でトイレに向かった。

しんどかった。

死ぬかと思った。

けど、途中で立つわけにいかなかった。

あたしは、正樹と再び水着をチェンジして、友達と、水遊びに戻った。