愛乗りシンドバッド

「うわぁっ!」

頭を引っ込めるほど
俺もすくみながら叫んだ。

その威圧感は
まるでジャンボ機が
飛行しているかのようで、
浜辺にそれは大きな
影を横切らせていく。

次から次へ
沖のほうに
飛来していく怪鳥に
町中の人が
驚愕の声をあげていた。

「あれはルフです!
古くから船乗り達の間で
噂されていた怪鳥ルフ!
……すごい数だわっ!」

アッバーサさんが
おののきながらも
空を見上げるなか、
1人精悍な表情で
その怪鳥を目で追う
ハルの姿が
視界の端に映った。