愛乗りシンドバッド

もちろんその先が
どうなるなんて
考えてはいない。

ただ俺は意気揚々として
ハルの所に戻った。

浜辺で男共からは
羨望の眼差しだったし、
この女の子といったら
奴隷商人がヨダレをたらして
欲しがりそうなほど
いい子であるし。
ってなんて
下品な例えを。バカバカ。

とにかくハルに
連れ回されたことも
数日前の事も
すっかり忘れて
上機嫌になっていた。

ハルは海岸に沿ってループした
白い手すりに手をかけ、
遠く水平線を眺めている。

ちょっと彼女を紹介して
俺のモテる様を
自慢してやったら
ハルには速やかに
自分のお家に帰ってもらおう。

うむ。