愛乗りシンドバッド

「ハヤト。
とにかくナンパしておいで。
話はそれからにしよう」

「はあ?」

突拍子のない言葉を
聞きながら、
俺はポケットをまさぐる。

煙草を持ってきてないことに
悔しさを噛みしめた。

「こんなとこまで
人を連れ出しておいて
何を言うかと思えば。
教えてくれないなら
俺はもう病院に帰る。
絶対騒ぎになってるだろうし。
……あ、煙草持ってない?」

「えー、帰るのー!?
せっかく海に来たのにぃ。
いいから誰かに
声かけてきなよ。
見ててあげるから」

「だからなんでだよ!
なんでこのタイミングで
ナンパ!?
あんたの頭の神経回路は
どーなってんだいったい」