愛乗りシンドバッド

そんなとても
しおらしい言葉を残して
リカちゃんは部屋から
出ていこうとする。

学生の時を彷彿とさせる
心情と言うか。

レモンみたいな
柑橘系の甘酸っぱさが
感じとれる気がした。

……う〜ん、
心がほころぶとは
こーゆー事を言うんだなぁ。

と、まぶしすぎる太陽から
無粋なひまわりが
顔をそらせないように
俺は彼女の姿を追いかける。

あの子にも彼氏がいて
そいつのために
泣いたり憂いたり
しているのであろうか?
そう考えると
恨めしい事この上ない。

そんな奴がいたなら
グーで殴る。うん。

すると病室に
外の生臭い潮風が
流れ込んできた。

不思議に思って
風の出どころに目を向けると、
閉まっていたはずの
部屋の窓の枠に
今度は見たことのない
女の子が座っていた。