愛乗りシンドバッド

その時、視線の外れから
咳払いが聞こえた。

俺は多少焦りながらも
ノートを枕の下にしまい
他の2人も
とぼけた口笛を吹いて
自分のベッドに戻る。

「またあなた達は
何をやってたんですか?
山田くん?おじさん!?」

「ははは、リカちゃんは
かわいいね。」

山田とは隣の大学生。
かわいいなんて
どの口が言いやがった?

そしてリカちゃんとは
もちろん
リカちゃん人形ではなく、
屋上から落ちた俺を
優しく介抱してくれた
かわいい看護婦さんだ。

「ハヤト君……、薬。」

そう言って
目を細める彼女は
実に麗しかった。