愛乗りシンドバッド

なんだろうアレ。
なんかの警鐘みたいな
感じだろうか。
妙に気にかかるな。
それに……。

――錆びた鉄の手すりを
越えながら考える。
ちょっと常識からずれた
貴人の存在に
俺は少し冷静になれた。

なんか変じゃないか俺。
事故ってから
感覚がおかしいような…。
後遺症かな?

人が普通に感じる事のできる
感覚の他に
もっと別の何か…。
何かが全身を
張り巡らしてる気が…。

いや、大げさに考えすぎか…。
この子の手が
チキンに見えたのも
きっと気のせい。
ドラを持ってるあの人も
ただのキチガイ
だったって言うだけかな…。