愛乗りシンドバッド

「……星の数ほどいても
そこに辿り着くのが
難儀なんじゃんか。
それに俺は
死ぬ気はないよ……。」

鉄柵にもたれかかりながら
ソファーのように
腕をかけて
夜空を見つめる俺。

「……そんな所で
かっこつけなくても」

彼女の言葉が心に沁みる。

……ふっ

「とにかく、
生まれ変わりたいなら
私の手を握って、ほら。」

その子はそう言って
俺に手を差し伸べてくる。
……だが。