愛乗りシンドバッド

「振られたくらいで
情けないですね、
男のくせに。」

と、目の前まで
近寄ってきた彼女。
少し怒っているようにも
見える表情で
真っ直ぐ俺の瞳を
見据えてくる。

よくよく見ると
小顔で整った顔立ちの
なかなかかわいらしい人。

「死んで何になるんですか。
どうせなら
死んだ気になって、
今日とゆー日を
人生の新たな船出に
したほうが
よっぽど楽になれますよ。

女の子なんて星の数ほど
いるんだし……
そう思いませんか?」