愛乗りシンドバッド

それからしばらくして
白衣を着た
ヨボヨボのじいさんが
部屋にやってきて
俺の眼球に光を当てたり
脈拍を計りにきた。

「ふむ……脈がない!」

「あら先生、聴診器が耳から
外れてますわ。」

と、お約束のボケ。

そんなじいさんに
気になる事を聞いてみた。

「先生、そーいえば
俺と一緒に海に落ちた人は?
やっぱりこの病院に?」

「……あぁ?」

と耳に手をあてるじいさん。
俺は横にいる
さっきの太った
看護士さんに目を移す。