愛乗りシンドバッド

「羨ましいって?何が?」

思わず聞き返すと
その人は顔を赤らめながら
慌てた様子で近寄ってきて
よくわからないが
俺の頬をいきなり
思いきりひっぱたいた。

……ええええ!?

まさかの平手打ち。
そして続けて言う。

「最低ね……。」

とそのまま怒って病室を
出てってしまう彼女。

な、なんで?

起きたてなのに
相次いで通り過ぎていった
二度の嵐に
ただ鼻から血を流すばかり。