愛乗りシンドバッド

「なんで知ってるの?」

俺が聞くとベッドの脇にある
白と木目調の机の上に
置いてあった新聞を
とって見せてくれた。

その社会面に載ってる
指でさされた所を見ると
なんとでかでかと俺の記事が
でているではないか。

「ほおー、俺が
時の人になってるでは
ないか。」

「余裕ですね。」

「……うーん。
死ぬって覚悟して
飛びこんだせいかな。
妙に腹が据わってるとゆーか」

「……そうですか。」

そう言って表情を変えずに
俺の事を見つめながら
花をもつ彼女。