愛乗りシンドバッド

しかしその時だった。

全てを一転する出来事が
起きた。

突然ブレーカーを
上げたかのような目も眩む光が
異常なほど中庭から
照らしあげてくる。

何事かと慌てて窓に近寄り
外をみると、
あまりのことに唖然として
俺もモルジアーナも
そしてハルにいたっても
ただ空を見上げた。

それは月の変わりにさんさんと
真上から注ぐ。

粛々とした夜の空間を
いきなり真っ昼間の青い空に
変えてしまった。

なんと太陽が
照らしていたのだ。

そしてむわむわと
気温も上昇しはじめ、
つられるように
セミがジワジワと、
やがていっせいに鳴き出した。

広い中庭を埋め尽くす
兵士たちと木々の姿形が
はっきりとした。
みな驚嘆の顔で
天を見上げていた。

「……こ、これは?」

カシャン――と、
スピーカーを落とす音。

背筋を伸ばしたまま
言葉を失ったハル。

何が起きたか……、
とても説明のつかない
事態であった。