愛乗りシンドバッド

「瓜二つの王宮の謎は
さておいて、
私らはこの時代でも
たゆみなく動いていた。
半年ほど前くらいからかな。
ついに奴のねぐらも突き止めた。
もはやジンも弁明はしまい……。

時空の穴はおそらく
ジンの仕業だろうが
歴史的な大発見でもある。
私たちは天の川にちなみ
乳の道と呼んでいる」

「ち、ちち……?」

つい聞き返してしまうと、

「ち・ち。
ミルキーウェイさ」

と、手をいやらしく
ワシワシするハル。

「それは帝都アッサラームの
発展の足がかりにもなってるけど
国に帰る手段でもあるわけだ。
とりあえず幽玄の交易路として
活用してるが、
もちろん現代のやつらには
公にすることはない。
王宮の学者たちが
調べてはいるけど、
ジンの頭の良さは
ずば抜けていたから
きっと詳しくわかるには
時間がかかるだろうな。
その間に私は
未来であるこの時代で
学術をたくさん学び、
歴史を知るかたわら
黒魔術や幻術の類で
いろいろな国の病巣を
取り除いてやっといたさ。

平成の魔人はねちっこくて
生意気だったから
やりがいはあったね」