愛乗りシンドバッド

(羨ましい奴だな。
いっちょ楽しませてやるか)

(触っちゃおっと、
ゲヒャヒャヒャ)

(うーん、もっと
筋肉質になって欲しいわん)

(ありゃりゃ?
意外と――
彼よりも――
――が――で、――みたい)

無論、みな無表情である。

しかし悲しきかな心の中から
今までにないくらい
赤裸々な言葉が
太鼓のごとく押し寄せてきた。

……多分、
布一枚を隔てた状況に
みんな年が若いってのも
あるんだろう。

もちろん彼女たちは
召し使いであり、
身分が低いことに乗じて
俺が何をするわけもないが、
……とにかく
まずいことになるから
今から俺はアゴの割れた
ムキムキの臭い男の
細部に至るまでを
頭に作り上げることに徹する。

――倫理とは、
人間が作った
もっとも邪魔な足かせである。
byハヤト

もんもん――