愛乗りシンドバッド

「……あの?」

俺が状況を
把握できないでいると、

「シンドバッド様が
やり足りてないことは
体を洗うことでございます」

と言い、腕をつかまれて
真っ裸なまま浴場から
引きずり出された。

「えっ?ちょっちょっ、
待って待っ――」

召し使いさん達は
濡れるのを承知で
べったりと囲うように
俺に寄り添うと、
丁寧に全身を隅々
タオルで洗いだしてくれる。

どうやらここでは
当たり前のことらしい。

……しかし……これは、
なんてことだ。

地球の代わりに
俺をもうろうさせようってか
ピンクのミルキーウェイよ……。