愛乗りシンドバッド

服装だって、
インドのサリーという
細い布を体中にくるむ
民族衣装にも似ているが
レースのような
透けている布状からして
どちらかというと
踊り子に近いのかもしれない。

だいいち気になる人と
一緒に食事をしてるだけでも
帰らなくていっかーって
なるのに、
可憐なアッバーサさんに
こんな風に心配されたら
とても断れない。

やっぱここに来るまでに
渋滞にはまってでも
横浜の病院には
寄っておくんだったな。

まったくルフめ……。
みんなを襲ってなけりゃ
いいんだが。

はっ……、
そういやリカちゃん
退院を見送ってくれるって
言ってたんだった……。

くっ、ルフのやろう。
もはや穏便に
済ますことはできんぞ……。