「帰りになるとユキがデカい声でいつも教室に――って、どうした?」 「ごめん、ちょっと頭がズキってしただけだよ」 「マジ!? 悪い、なんか勝手に喋ってて……」 「ううん。大丈夫だよ。偏頭痛持ちだからさ、私。汰一君は何も悪くないよ?」 偏頭痛持ちでもないし、頭も痛くない。 ――心がズキッってしたんだよ、本当は。