「ちょっと待って。部長に言ってくるから」 焦るでもなく、侘びをいれるでもなく、落ち着き払った声でそう言った彼女には、なんだか変に尊敬してしまう。 ――でも、これで彼女が犯人って事が分かった。 「部長から許しが出たからいいよ。でも少しだけね」