すると今度は彼が私にハンカチを差し出してきた。
薄い水色のアイロンがかかったきれいなハンカチ。
『君のハンカチは僕のスーツを拭くのに使ってしまった。だから僕のハンカチで涙を拭いて』
私の顔を見てそう言う顔は、とても柔らかい笑みを浮かべていて、ドキッとしてしまう。
それに気付かれたくなくて、目を逸らした。
「それを借りたらアナタのハンカチまで汚してしまうわ。
自分のを使います。自分の涙を拭ったハンカチなので気にしないでください」
そう断ったのに。
そっと顔にハンカチを押し付けて『いいから使ってください』と言う。
スーツだけでなくハンカチまで汚してしまった。
申し訳なくて「ごめんなさい」と言うと、目を細めて笑みを薄く浮かべ『気にしないで』と言われた。
その表情にまた胸が鳴る。
なんていうか、物腰の柔らかい、優しい男の人で、ひとつひとつの行動に大人の男の色気のようなものを感じる。
借りたハンカチで涙を拭いながらそんな事を考えてしまった。
薄い水色のアイロンがかかったきれいなハンカチ。
『君のハンカチは僕のスーツを拭くのに使ってしまった。だから僕のハンカチで涙を拭いて』
私の顔を見てそう言う顔は、とても柔らかい笑みを浮かべていて、ドキッとしてしまう。
それに気付かれたくなくて、目を逸らした。
「それを借りたらアナタのハンカチまで汚してしまうわ。
自分のを使います。自分の涙を拭ったハンカチなので気にしないでください」
そう断ったのに。
そっと顔にハンカチを押し付けて『いいから使ってください』と言う。
スーツだけでなくハンカチまで汚してしまった。
申し訳なくて「ごめんなさい」と言うと、目を細めて笑みを薄く浮かべ『気にしないで』と言われた。
その表情にまた胸が鳴る。
なんていうか、物腰の柔らかい、優しい男の人で、ひとつひとつの行動に大人の男の色気のようなものを感じる。
借りたハンカチで涙を拭いながらそんな事を考えてしまった。

