小杉春流の本心を初めて聞いて、少しだけ心が通じ合えたような、そんな気がした。




「なぁ、国友未愛…。そろそろこの腕、解いてくんねぇか?」



「え…?って、あわわわ!」




今更になって思い出したけど、あたし…小杉春流を抱きしめたままだった…!恥ずかしいっ…!


急に我に返って腕を解くと、あたしの前には、すっかりいつもの調子に戻った小杉春流が居た。




「そろそろ時計台に向かうか。瑞希達、心配してんじゃねぇの?」




…そういえば、そうかも。


ケータイの時刻を見てみると、あたし達が抜け出して、かれこれ三十分は経っていた。




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